印刷用紙の分類は塗工紙と非塗工紙に分けることができます。日常にある紙の中でも、手に触れたときに「ざらざら」や「ツルツル」を感じることがあるのではないでしょうか。本記事では、感触にも関係してくる塗工紙や非塗工紙などの印刷用紙の種類について紹介します。
非塗工紙とは?
日常でもよく利用されている、上質紙や更紙などはざらざらした感触が特徴で、非塗工紙の代表的な用紙です。
印刷用紙を抄造(しょうぞう、紙の原料をすいて紙を製造すること)していく際に、用紙の表面に白色顔料を塗工せずに、繊維が絡み合った原紙状態のままの紙のことを非塗工紙と呼びます。上質紙、中質紙、上更紙、更紙(ざらがみ、ざらし)や、ケント紙などの図面用紙や筆記用紙なども含まれます。
塗工紙とは?
チラシなどで利用されるツルツルとしたコート紙やパンフレットで使われるマットコート紙が代表的な塗工紙です。
非塗工紙に印刷適性の品質向上を目的として、表面加工を施した用紙です。パルプだけの原紙の表面に白色顔料(石灰岩やカオリナイトクレーのような鉱物質の微粉末)と接着剤(澱粉やラテックスなど)に耐水化剤や消泡剤などの補助薬品を加えて調合したものを塗布することを「塗工」と呼びます。
代表的な塗工の方法としては、ブレード方式と呼ばれる渡航材を塗布後、薄い金属製の刃(ブレード)で余剰の塗料を掻き落として塗工表面を一層平坦にする方法があります。塗料にも水分が40%前後あるので、渡航後すぐに紙の両面に熱風を吹き付けたり、赤外線乾燥機で乾燥しています。
グロス
塗工紙の表面は平滑であり、上に乗ったインキ面も平滑になります。どちらも光が乱反射しないので全体に光沢が出ます。このことをグロスと呼びます。一般的にはコート紙というとグロスコートのことを指します。
マット
塗工時につや消し加工をおこなうため表面はわずかに凸凹となります。上に乗ったインキ面も凸凹となるため、光が乱反射することで光沢ではなくなります。これをマットと呼びます。一般的にマット紙というとマットコート紙のことを指します。グロスとは発色が異なり、落ち着いた風合いの印刷となります。
ダル
塗工時につや消し加工をおこないますが、紙表面の凹凸はマット紙より小さくなっています。紙の光沢はおさえていますが、インキが凹部分に溜まり、インキ面だけマット紙より平らになり乱反射がおさえられるため光沢が出ます。この仕上げのことをダルと呼び、ダルアート紙などはよく利用される紙の品種となります。
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