拠点間とのコミュニケーション連携がスムーズだと、企業全体として効果的な販促施策を展開することができ、結果的に「売上の拡大」や「品質の向上」へとつながっていきます。成長している企業ほど拠点間とのコミュニケーションは重要な課題です。
管理部門のご担当者様ですと、人員の増加や拠点の増加に伴い、自分の管理する管轄が企業の成長とともにが増えていくので、コミュニケーションをスムーズに進めるのはなおさら大変です。
本記事では実際のシチュエーションを踏まえて、どうスムーズにコミュニケーションを進められるのかを考えていきます。コミュニケーション効率化のヒントとなれば幸いです。
目次
コミュニケーションの物理的な「量」と「距離」
拠点が増えている成長企業で、
「本部から販促方針や販促戦略を店舗へ共有ができない」
「店舗から本部へ、お客様の動向やニーズの共有がスムーズに進まない」
という声を弊社のクライアント様からよく耳にします。
- 対面であれば簡単に伝わる内容が電話やメールで伝わらない
- 各拠点への電話やメールの本数が増えて本来の業務に手が回らない
- コミュニケーションが増えたことで1件1件の問題をきちんと解決できない
というように、拠点が増えるほどに時間・経費のコストの増加するという負のスパイラルに陥いるケースも多いようです。
拠点が多い企業において、コミュニケーションの物理的な「量」と「距離」の問題は必ずと言っていいほど遭遇する課題と言えます。
ルールや暗黙知の共有
「本部と店舗」「社内とサプライヤ」といった拠点ごとに、それぞれの経験に基づく販促のノウハウや考え方があります。
ノウハウや考え方には「販促物を制作する際のルール」や「データの取り扱いルール」など多岐に渡る内容が含まれます。
地理的に離れている拠点では、対面でのコミュニケーションの機会が少なく、「現物を見せて確認してもらう」、「画面を見ながら直接説明する」といった対面では簡単に伝えられる方法が使用できません。
こういったルールや暗黙知の共有の問題も、拠点が多い企業においては課題の一つと言えるでしょう。
現状のコミュニケーションの振り返り
現状のコミュニケーションを振り返ることは重要です。現状の良い部分と悪い部分をナレッジとして蓄積し、次に活かしていくためです。
一般的にコミュニケーションのツールとして使われているものとして、電話・メールが代表的なものになると思います。その他として対面(会議など)も例に挙げてみました。これらのツールのメリット・デメリットを踏まえ、現状を振り返ってみましょう。
電話
メリット
- スピーディーに物事を伝えられる
- 会話をしながら臨機応変な伝え方ができる
- 声のトーンで感情や緊急性を表現できる
デメリット
- 電話をしている間はお互いの時間が拘束されてしまう
- メモや録音をしない限り記録が残らないので指示が反映されないケースがある
- 繋がらないなどコミュニケーション自体できないケースがある
メール
メリット
- 読みたいタイミングで読めるので相手の時間を拘束しない
- 同時に複数の人間に情報を伝えられる
- 情報の履歴が残り、検索ができるので伝達もれやミスを防げる
デメリット
- 相手が反応を返さない限り読んでもらったかどうかの確認ができない
- 直接話せば理解できるような微妙なニュアンスや意図が伝わりにくい
- 文面の体裁の確認や誤送信のチェックなどに時間がかかる
対面(会議など)
メリット
- スピーディーに物事を伝えられる
- 感情や緊急性をすぐに伝えられる
- 対面しているメンバーの意見をすぐもらえる
デメリット
- その場で話したい内容を話せない場合がある
- 対面して話すメンバーのスケジュールに合わせる必要がある
- 遠方の拠点だと移動などの経費がかかる
このように、それぞれのツールでメリットとデメリットが必ず存在します。
「あの案件は電話で伝えれば急ぎで作業してもらえたのに」
「電話でしか指示してないから指示の履歴が残っていない」
などコミュニケーションがスムーズに進まない原因として、使用しているツールのデメリット部分が影響していることが多いと考えられます。
ツールを使用する際にメリットだけではなくデメリットも意識しつつ、電話とメールの両方で伝えるなど、ツールの使い分けはコミュニケーションをスムーズに進めるための1つの有効な手段と言えるでしょう。
コミュニケーション方法の選択肢を広げる
ツールのデメリットを理解した上でツールを複合的に使用しても、既存のツールだけでは、コミュニケーションがスムーズに進まないことが多々あります。
コミュニケーションがスムーズでないと様々な損害を招く恐れがあります。
特にコミュニケーションがスムーズでないことから発生するミスの被害は大きいものです。
- ミスによって再度施策をし直すためのコスト
- コミュニケーションにかかった時間
- ミスによる人間関係でのストレス
などが挙げられます。
既存のツールだけにとらわれず、新しいツールの導入などでコミュニケーション方法の選択肢を広げるというのも一つの方法です。新しいツールを導入することで、
- トータルコストや時間のムダの削減
- コミュニケーションのスムーズ化による大幅な効率化
など高い効果が見込めます。
ここではおススメのコミュニケーションのツールをご紹介したいと思います。
ChatWork(チャットワーク)
チャットでコミュニケーションでき、ビジネスシーンでも活用されています。
スピーディーなコミュニケーションが可能で相手の時間を拘束する事もありません。
電話・メール・会議の良い部分を融合しているようなイメージのツールです。
特徴としては、
- 1対1(ダイレクト)と複数人(グループ)とシーン別にやり取りができる
- 複数人(グループ)でのやり取りをグループ内のメンバーで見える化できる
- 期限付きでタスクを割り当てられ、作業のもれを防げる
- 画像などのファイルを簡単にアップして閲覧でき、スピーディーにイメージの共有もできる
- スマホのアプリもあるので社外からでも使える
といったことが挙げられます。
Backlog(バックログ)
複数人が携わるタスクの進捗状況を長期・短期に関わらず共有できるプロジェクト管理ツールです。
プロジェクト⇒親課題⇒子課題の単位でプロジェクトを管理できます。
特徴として、
- 親課題に子課題を紐づける形式でタスク管理できる
- プロジェクト進捗状況や各人のタスク状況が見える化できる
- カテゴリや種別など細分化してタスクを管理できる
- スマホのアプリもあるので社外からでも使える
といった点が挙げられます。
おわりに
企業の業務形態の変化に伴い、販促も多拠点でのスムーズなコミュニケーションが求められています。
対面でのコミュニケーションができない状況では、「拠点間でお互いの状況や仕事の見える化をいかにするか」が重要です。
既存のツール以外も視野に入れることで、これまで実現する事ができなかった新しいコミュニケーションフローを構築する事も可能です。
新しいコミュニケーションフロー構築は、コミュニケーションのロスから生まれるコストを削減するだけではなく、スムーズな情報の行き来によって新たなビジネスチャンスを生み出すきっかけになるとも考えられます。
「拠点間でお互いの状況や仕事の見える化」を意識し、自社の業務形態やニーズに合った新しいツールを取り入れていくことで、よりスムーズなコミュニケーションの環境作りの助力となれば幸いです。