弊社では、多店舗展開をする多くの企業様の販促物(チラシ、パンフレット、DMなど)の課題解決をご支援させていただいております。 各企業様は、「店舗販促物」に多くの課題を抱えていらっしゃいます。多店舗展開する企業様の「店舗販促物でよくある3つの課題と解決策」をご紹介したいと思います。 皆さまの課題解決のヒントになれば幸いです。
目次
本部・店舗間のコミュニケーションの課題
多店舗展開している企業の多くが課題を抱えています。 特に、本部・店舗間のやり取りでは、本部に対して店舗数分のやり取りが発生するため、 非常に煩雑になりやすい傾向があります。 仮に200店舗展開している企業であれば、 頻度を考えなければ最低限200回のコミュニケーションが発生します。 具体的なコミュニケーションの例として、デザイン制作依頼・印刷物注文依頼(進行管理・とりまとめ)・成功事例の共有・請求額の提示と確認など多岐にわたるやり取りが発生します。
本来の目的は、全社レベルの売上向上活動
ここで、本部・店舗間の販促コミュニケーションの背景を考えてみましょう。
そもそも企業では商品・サービスによる価値の提供を通して、売上を上げることが目的です。 そのために各店舗は売上を最大化できる販促施策(集客・リピート促進)を推進します。 さらに企業は多店舗展開しているメリットを享受するため、店舗の経験をもとに改善サイクルを実施することで、 効果的な売上向上活動を図ります。
下記のステップで店舗の販促施策の経験値を全店舗で共有し、 改善のサイクルを回すということです。
- 各店舗が販促施策を実施
- 施策の成功の度合いを計測
- 成功・失敗事例を全店舗で共有
- 各店舗が3.をヒントに新たな販促施策、商品・サービスの改善を図る
つまり、「本部がリード役になり店舗の経験値をフル活用し、全店の売上向上を目指す」、ということです。 本部・店舗間コミュニケーションは、それを考えのベースに置き、設計、運用することが重要だと言えます。
これらを認識することで、目先のやりとりに振り回されず、 課題の本質的な解決策が考えられるようになります。
よくある3つの課題と解決策
1.本部店舗間の煩雑なやり取りを低減したい
冒頭でも触れましたが、お客さまからお聞きする中で多く挙げられるのは、 本部と店舗間のコミュニケーションの煩雑さです。
本部では、販促物の発注やデザイン制作・修正など、複数店舗から多くの依頼が集中します。 連絡手段もメール、電話、faxなどバラバラで、店舗数が多いほど煩雑化します。 お客さまの中には、これらのコミュニケーション業務に忙殺されることで、 販促施策を考えるへき業務時間が捻出できない、という事態が常態化していることもありました。
図1:本部に集中する業務
解決策:コミュニケーションの効率化を図る
解決策としては、下記が考えられます。
- 販促物を見直す
- 運用フローを見直す
販促物を見直す
店舗の販促効果を最大化するためには、販促物にその店舗独自の情報を盛り込むことが求められます。 例えば、掲載する(アクセス用の)店舗の地図一つとっても、ただ汎用の地図を切り取り掲載するだけでなく、 その地域の人にわかりやすい目印となる施設や街道を強調するだけで集客力が変わります。
つまり、下記の関係となります。
店舗:独自性を訴求 → 本部:販促物が多様化し業務が膨張
※本部が販促物を管理しているケース
また、販促物の種類は主に下記となります。
種類 | 1 | 2 |
デザイン | 全店舗共通 | 店舗独自 |
本部の手間 | ↓減少 | ↑増加 |
ロット(部数は目安) | 中~大 500部~数10万・100万部 | 小 1部~500部 |
単価 | 安い | 高い |
印刷方式 | オフセット印刷 | デジタル印刷 |
本部の人的リソース、販促の費用対効果を考え、現状の販促ツールを1.2.に再分類します。 そうすることでコミュニケーション量を適正に調整することができます。
運用フローを見直す
前項で、店舗独自デザインを全店共通デザインへグレードダウンすることで、 本部の手間を軽減・調整することが可能だとお伝えしました。 しかし、やはり店舗独自デザインを実施したい場合は、下記のように運用フローを工夫することで負荷を抑えることが可能です。
- 店舗依頼の処理日を決める
- 店舗独自情報の掲載を制限する
複数店舗からの依頼をまとめて処理(手配・生産)し、店舗の独自情報の掲載を一部に限定するなどで情報のやり取りを減らして、 適正コストでの業務効率化が可能になります。
2.店舗の販促コストを削減したい
店舗での販促コストの課題です。 本部から見ると店舗の販促コストは見えづらく、過大なコストがかかっているというケースを耳にします。 これは特に店舗主導の販促物で発生しやすい問題です。 原因は、主に下記が考えられます。
- 店舗が自由に印刷会社を決めている(どこに、何を、どれだけ依頼しているかわからない)
- 店舗にある複合機で自由に印刷している(販促物と社内利用の境目がわからない)
- 本部から提供した販促物の廃棄ロスが発生している(提供数量に対する有効性がわからない)
店舗数が多いほど、実態の把握が難しい問題です。 費用対効果が見えづらい中では、調査に着手することも及び腰になりがちです。
解決策:実態を把握し取引先、方法を見直す
解決策としては、下記が考えられます。
- 販促物にかかわる取引先と利用金額を店舗別に把握する
- 取引先、方法の見直しを図る
販促物にかかわる取引先と利用金額を店舗別に把握する
まず実態を把握します。 経理部門で店舗別の取引先と利用金額の詳細なデータがあれば、実態を明確に把握できます。 データがない場合は、取引先ベースで大まかに利用金額を把握する、一部の店舗にヒアリングを実施する などで、推定値を暫定実積とすることも一つでしょう。
取引先、方法の見直しを図る
店舗別のコスト実積が把握できたところで、下記の方法で見直しをかけます。
- 取引先を見直す
- 方法を見直す
取引先は現在の同条件で同業他社より相見積りを入手し、比較検討を行いコスト削減を行います。 しかし、こちらの方法ではすでに実施しているのであれば、効果は限定的になる可能性が高いでしょう。
ある程度の効果を目指す場合は、現状より仕様変更や方法自体を見直すことで、 大きなコスト削減効果につながる可能性があります。
一例として、現在、印刷会社の営業マンより販促物を購入している場合には、「印刷通販サイト」からの購入に切り替えることで大幅なコスト削減につながる可能性があります。 印刷通販サイトは、インターネットから受注するため営業経費がかからず、全国から案件を集め工場で集中生産を行うことで、安く印刷物を生産しています。また、特に小ロット印刷が安いため、複合機からの切り替え実積も多くあります。
手前みそで大変恐縮ですが、弊社運営の印刷通販サイト「Suprint/スプリント」も参考までにご案内します。
3.販促物のデザインレベルを向上させ統制したい
店舗主導で販促物を制作される際に多くある課題です。 今、販促物のデザインは誰でもできる時代になっています。
一昔前はプロのデザイナーに依頼することが普通でしたが、 ソフトウェアの進化により、身近なソフトで誰でも印刷用のデータ制作ができるのです。
特に、マイクロソフト社のオフィスの普及に合わせて、同ソフトでのデータ制作が増加しています。 パワーポイント、ワード、エクセルなどの制作者が得意なソフトを駆使して、 印刷物を制作できるようになりました。 それらと同時に、店舗販促物も各店舗の担当者が制作する事例が増えています。
その一方で、多店舗展開する企業の本部は新しい課題を抱えています。
各店舗でデザインを行い販促物をつくることで、 店舗ごとのデザイン品質のバラつきが大きくなっていることです。
また、店舗担当者が自身の判断でデータ制作をすることでの弊害も起こっています。 ロゴデータを変倍してつくってしまうなどブランド棄損につながったり、 法務的なチェックが行えないことで、景表法、薬機法などに抵触してしまう可能性が高まるなどです。
こうしたことで、全社的な企業ブランドイメージが統制しづらい状況が発生しています。 つまり、店舗主導の販促物制作は、販促物のデザインレベルの向上および統制が求められているのです。
解決策:デザインを見える化し、円滑な運用方法を設計する
解決策としては、下記が考えられます。
- 現状の店舗主導デザインを把握し見える化する
- 円滑な運用方法を設計し実行する
現状の店舗主導デザインを把握し見える化する
必要な範囲で店舗で制作されている実データや販促物の実物を集め、現状あがっている、 あるいは、今後想定される問題点をリストアップします。これが見える化です。 そして、それぞれの問題を解消できる解決策を考え、決定し、実行します。 こうすることによって、販促物のデザインレベルの向上を目指します。
円滑な運用方法を設計し実行する
ここでは、多店舗とのコミュニケーションにおける”円滑さ”に留意したいです。 多店舗と円滑にコミュニケーションを行えるように、運用方法の設計にはいくつか考えられますが、代表的なものとしては下記があります。
- 本部でチェックするワークフローを設計する(暫定・継続)
- デザイン制作を本部主導に切り替える(デザイン制作の専任化)
- システムでデザイン・原稿の編集を制限しデザインレベルを統制する
1.本部でチェックするワークフローを設計する(暫定・継続)
店舗主導で制作したデータを本部で確認、承認するフローを設計します。 店舗数が多い、本部のリソースが少ないなどの問題がある場合は、 エリアや期間を限定して集中的に是正していくのも一つの方法でしょう。
図2:承認フロー例
2.デザイン制作を本部主導に切り替える(デザイン制作者の専任化)
こちらも本部リソースの問題はありますが、抜本的なデザイン統制を行うため、権限を本部に集めます。
実運用としては、専属のデザイナーを雇う、専任の外部デザイナーにデザイン業務を集める、 などが考えられます。デザイン制作者を絞ることで、デザインのトーン・基調が揃いブランドイメージが統制しやすくなります。 また、複数店舗分をまとめて処理するなど作業工数が抑えやすく、さらに経験効果での作業効率化も期待できます。
3.システムでデザイン・原稿の編集を制限しデザインレベルを統制する
ブラウザ上で画像・文字を編集できるツールを利用し、本部で販促物デザインの固定部分と店舗で編集可能な部分を設定します。 例えば、ベースデザインやロゴマークの固定化を行い、テキスト・画像の編集できる箇所と仕様を指定します。 店舗では編集できる範囲の中でデザインを編集することで、デザイン・原稿の仕上りレベルを一定レベルに保つことが可能になります。
図3:編集画面例
まとめ
店舗販促物の課題と解決策について、見てまいりましたがいかがでしたか? 実際には、多店舗展開する各企業様がそれぞれの課題を抱えており、 一様ではありません。しかし、問題を細かくみていくことで解決策は必ず見つかります。 貴社の課題解決のヒントになれば幸いです。
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