印刷物は印刷会社に発注するケースが多いものの、自社内ですべて生産している企業もあります。特に複合機で出力できる程度の部数の場合、時間的に見ても社内で生産した方が早いため、自社で対応するという企業は多いのではないでしょうか。
また、一部の企業では大判出力機やラミネーター、名刺断裁機なども取り入れて本格的に自社生産しているところもあります。内製にこだわる理由は主に価格的要因と納期面の早さがあります。一方で生産を担当する社員は、繁忙期などに多くの負荷がかかり残業が多くなりがちなのも事実です。
こういった事実を踏まえ、納得のいく形で外注に切り替えることは可能でしょうか。内製と外注における価格面、納期面について比較しながら検討していきましょう。
価格的要因
印刷物を内製する理由で大きいのが価格的な要因です。自社内で生産する場合、印刷費や設備費用などを気にするケースが多いですが、人件費を見落としてしまいがちです。生産に携わる社員の人件費も加味して、外注とのコスト比較することが重要です。人件費を計算する際には法定福利費も含めた計算が必要となります。法定福利費は事業主が支払う福利厚生に関する保険料です。例えば、健康保険料や雇用保険料などの会社負担分が当てはまります。
賃金によって変動はありますが、およそ賃金の16%ほどとなります。したがって30万円の賃金の場合、約48,000円が法定福利費となり、その合算が人件費となります。(令和2年8月現在)
また、複合機はリース契約の場合月額費用でリース費用がかかります。また枚数に応じてカウンター料金が発生します。これらの費用を総合して比較する必要があります。
ネット印刷の普及により、外注する場合の印刷費用は小ロットでもかなり安くなっています。そのため、外部委託する方が、総合的にみてコストが安くなるということも大いにあります。
納期面の要因
社内で生産することのメリットとして、納期が早いということがあります。依頼を受けてすぐに出力すれば、数時間後には必要なものが揃うということも多いと思います。このような短納期に対応できる体制にはもちろんメリットはありますが、待機している人材・設備等の固定費がそのメリットに見合っているのかは見直す必要があるかもしれません。
では、外注の場合、このようなスピード対応は可能なのでしょうか。ネット印刷では多くの場合、最短で翌日納品が可能です。また一部のサイトではエリア限定で当日納品対応しているものもあります。こうした短納期のネット印刷のサービスは、納期面の要望にも十分に応えられるものではないでしょうか。
また、どうしても急ぎの場合は内製し、それ以外の比較的時間がある場合は、納期を延ばして安価でネット印刷へ委託するという方法もあります。
内製と外注を組み合わせる方法
専用の印刷発注システムを導入することで、印刷物の発注を内製したい場合と、外注したい場合とに切り分けて使用することも可能です。仮に支店や店舗を複数持つ企業が、そこからの注文を本部で受けて内製したり、外注したりしている場合、さまざまな手間を軽減できます。
具体的な運用としては、システム上で商品によって生産現場を内製か外注か決めておきます。すると発注のあった商品内容によって自動的に案件が振り分けられ、内製する注文のみを自社で対応することができます。これをシステムなしでやろうとすると数多くの注文を自ら振り分け、さらに外注するものは発注の手配までする必要があります。このような従来発生していた手間を印刷発注システムを導入することにより大きく低減できます。
おわりに
印刷物の内製は一見するとコスト面でも納期面でも良い選択と思われます。しかし、内容をよく見てみると外注する方が良いケースも多くあります。是非一度見直してみてはいかがでしょうか。
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