印刷物の発注には、発注の前段階、発注作業そのもの、発注後の三段階においてそれぞれ手間が生じます。今回は、発注作業そのものの手間の軽減についてお伝えできればと思います。
そもそも印刷物の発注がコア業務でない方も多いのではないでしょうか。その場合、発注業務は空き時間や主業務の終わった後に回されてしまうことが多いと思います。ですので、この時間を短縮することが、残業時間の短縮にもつながります。
発注作業には大きく2つの方法があります。一つは、「印刷会社の担当営業への発注」、もう一つは「ネット印刷への発注」です。前者は、よく利用する印刷会社の担当へ直接メールや電話などを通じて依頼することを指します。後者はウェブ上でネット印刷サイトから注文をする方法です。
それぞれのケースで効率化の方法を検討してみましょう。
目次
印刷会社の担当営業への発注の効率化
多くの発注担当者は、よく利用する印刷会社をお持ちかと思います。発注先の担当との関係性や依頼内容の難易度によって、簡単に依頼できるケースもあれば、その逆もあるでしょう。発注担当者にとって、印刷会社の担当営業に依頼する場合によくある悩みは下記になります。
- 何を伝えたらよいかわからない
- 毎回見積を確認しないと発注できない
- 毎回発注書を作成しなくてはならない
- デザインデータの容量が重く、送るのが大変
何を伝えたらよいかわからない
印刷物の発注には以下の項目を伝える必要があります。「サイズ」「用紙」「色数」「加工」「部数」です。これらの情報をあらかじめ用意し、発注先に伝えることでほとんどの場合、印刷会社は依頼内容を理解し、進行が可能です。しかし、直接対面で打合せをしないと依頼が難しいケースもあります。どのような場合に対面が必要でしょうか?
上記に挙げた項目で、発注者が伝えられない項目があれば打合せが必要になります。例えば、用紙は非常に種類が多く、見ただけではわからないケースがあります。また、加工方法についてもその名称がわからなければ伝えることが難しいです。
そのような場合には、打合せも一つの方法ですが、発注者の現物サンプルが手元にあれば、送付して確認していただく方法もあります。また、最近はテレビ電話も普及しており、こういったものを活用することで時間短縮が可能になります。
毎回見積を確認しないと発注できない
印刷物は、オーダーメイドのため毎回見積を確認する手間があります。見積は依頼先の状況によっては数日かかるケースもあり、時間を要する場合も多いです。この時間の短縮を図るために、あらかじめ部数ごとに価格表を用意いただく方法は有効です。
毎回発注書を作成しなくてはならない
発注担当者にとって、依頼の都度作成する発注書も大きな手間の一つです。そもそも、物品の製造を委託する場合、下請法により事業者の資本金規模により書面(発注書)の作成、交付義務があります。
発注書の作成を効率化する方法はないでしょうか?一つはあらかじめテンプレートを作成する方法があります。これを活用し、必要項目のみ入力することで、作業の短縮が可能です。また、クラウドサービスを活用し発注書の作成をシステム化する方法もあります。クラウドサービスの利点には、WEB上で簡単に発注ができること、FAXやメールもシステム上で送信できることがあります。また、情報が集約されることで管理や共有がしやすくなるというメリットもあります。
デザインデータの容量が重く、送るのが大変
印刷用のデザインデータは、画像を使用することも多く容量が重くなりがちです。そのため、メール添付で送信できず困ってしまうことがあります。大容量データを送信するのにおすすめのサービスを紹介します。
ネット印刷への発注の効率化
最近では多くの企業でネット印刷を利用しているのではないでしょうか。ネット印刷のメリットには、低価格、価格がわかりやすい、納期が明確などが挙げられます。ネット印刷を利用する発注担当者がこの発注作業を効率化する方法はないものでしょうか。
ネット印刷でよくある手間の一つに、毎回仕様を選んで発注しなくてはならないことがあります。また、発注作業は業務の合間や、定時終了後に回され残業が多くなりがちになるという問題があります。これらを解消するヒントをお伝えいたします。
毎回仕様を選んで発注しなくてはならない手間
ネット印刷は便利ですが、同じような商品を複数注文する場合に毎回仕様を選んで注文しなくてはならないという手間があります。具体的には、用紙の種類、色数、加工、部数、納期などの基本情報を選択しなくてはならないということです。1回の発注であればともかく、これを何度も繰り返すとなると大きな負荷になります。
基本的な機能として、リピート注文できる機能を持っているネット印刷サイトは多くあります。過去に注文した商品を一定期間以内であれば、簡単にリピート注文できるというものです。これは非常に便利な機能ではありますが、使途としては全く同じものを注文する場合に限られるので、かなり限定的な機会にのみ使えるものになります。
発注作業によって残業が増えてしまう問題
上述のように発注作業を短縮できたとしても、作業自体がなくならなければ本質的な問題が解消できないとも言えます。発注作業自体をなくすことはできるのでしょうか?一つ方法があるとすれば、次のようなケースです。
例えば、飲食店を多店舗展開する企業を想定した場合、店舗で必要な販促用の印刷物を本部の販促部門側で手配していることがあります。本部は全店の注文を仲介し、発注をかけることになります。この場合には、発注作業を店舗側に移管することにより、本部側の負荷を軽減することが可能です。方法としては、発注システムを導入することです。発注システムの導入によって、店舗側では印刷に関する専門知識がなくとも、サムネイルを確認しながら簡単に印刷物の発注が可能になります。
また、本部側では店舗の注文内容を発注前に確認し、承認、否認を行うのみで発注作業は不要になります。注文フローをシステム化することで、本部と店舗を含む全体的な効率化が可能となります。
効率化が難しいと思われがちな発注作業も、意外な方法で改善が可能です。これまでに皆様が検討されていた方法と別の角度でヒントになる部分があれば幸いです。
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