販促物の予算管理について

そもそも予算管理とはどのようなものでしょうか?何を管理するかにもよると思いますが、「予実管理(予算と実績の管理)」を指すことが多いのではないでしょうか。また、経営側の視点で重要になることは、目標を達成するために年初の計画と実績を比較・分析し、迅速に適切な改善や対応を行い、年初に立てた予算通りに経営がうまくいっているかを定期的にチェックし、必要があれば軌道修正を行っていくことになるかと思います。

販促物の予算管理とは?

それでは、販促物の予算管理とはどのようなものでしょうか?例えば、新サービスのキャンペーン施策を実施する際に見込まれる売上が100万円だとすると、それにかかる費用は売上の100万円よりも抑えなくてはいけません。一般的に、売上(利益)に対して施策自体にかかったお金(外注費や人件費など)のコスト管理と言えるのではないでしょうか。

広告や販促施策に伴い制作する販促物は、売上や集客に大きく影響を与えます。その施策の成果に直結することが多くなるため、特に費用対効果が求められます。しかし、その費用対効果を検証するにあたり様々な障壁や課題があるのではないでしょうか?

販促物の予算管理の課題

販促物の予算管理は大変だという意見をよく聞きます。事前に決めた予算通りに施策を実施することが難しいようです。全国に支店・店舗がある本社側では、特に販促物の管理が煩雑になる傾向があります。その理由は下記です。例1. 店舗が複数あることで全店舗分の状況把握がしづらい。見える化できていない。
例2. タイムリーに把握ができない。
例3. 発注先が多く、発注金額の集計、取りまとめ作業が手間。把握しづらい。

特に1.2.の要因によるところが大きいようです。本社側ではリアルタイムに各支店・店舗ごとの状況や成果の詳細な情報管理を行うのが難しいため、タイムリーに費用対効果を試算し把握するということが1番の課題となります。

販促物の予算管理のおすすめ方法

販促物の予算管理を行う上でのポイントとしては、大きく3つあります。

  1. 設定した予算内に収めること
  2. 広告(販促施策)の費用対効果をできるだけタイムリーに把握すること
  3. 2.の結果を基に、施策の継続・改善をたえず検討すること(PDCAサイクル)

前述しているように、広告や販促施策に使用する販促物は売上や成果に直結するため、費用対効果の把握が重要になります。どのように費用対効果を計算するかは、主に2つの指標があります。

[その1] ROAS (Return On Advertising Spend)

ROASとは広告掲載料1円あたりの売上額のことです。「投資した広告費用の回収率(何倍になって返ってきているか)」のことで、この数値が高いほど費用対効果の高い効率的な広告が運用できているといえます。

●ROAS=広告経由の売上÷広告費用×100(%)

[その2]CPA (Cost Per Acquisition)

CPAとはコンバージョン(成果)の獲得単価のことをいいます。「1コンバージョンあたりのコスト」のことで、この数値が低いほど費用対効果の高い施策といえます。

例えば、新商品の販促キャンペーンで、販促費が100万円かかり、購買客数が1000人だった場合、CPAは1,000円となります(100万円÷1000人=1,000円)。

この新商品の販売価格6,000円に対し粗利が2,000円だった場合、今回のキャンペーンを実施した成果として100万円の利益を獲得したということになります(1000人×2,000円-100万円=100万円)。

●CPA=費用(コスト)÷コンバージョン数(獲得数)

※コンバージョン:主にWebサイトなどで獲得できる最終的な成果のこと。何をコンバージョンとするかにもよるが、多くは商品購入、会員登録、問合せなどにあたる。

それでは、各企業で取り組まれている販促物の予算管理の事例を紹介します。

1)全て本社、本部側が主導となり管理する

トップダウンで管理することで、企業のブランド統制や全社的に統一的なメッセージ発信ができ、さらに広告、販促施策の状況や成果の確認がしやすくなるというメリットがあります。反対に、各支店・店舗にはできることに制限がかかり、各営業エリアのターゲットに合った効果的な内容での施策展開ができなかったり、その施策自体への対応(フットワーク)も鈍くなる恐れがあります。支店や店舗エリアごとに顧客の属性が共通している場合はこの方法が良いかもしれません。

2)各支店、店舗に一定の予算を設ける

各支店・店舗側に予算を付与することで、各営業エリアの実態に沿った施策がスピーディーに展開しやすくなります。実際に各エリアごとの顧客情報や顧客属性については、本社・本部よりも各支店・店舗側の方が細かく把握しているケースが多いです。そのため、より効果的な施策展開が見込めるようになります。例えば、ある店舗ではファミリー層が多いため、お子様向けメニューやイベントを充実させ、別の店舗ではサラリーマンの需要が多いので、お酒に合うメニューを充実させるといった個店ごとの施策の実施ができるようになります。

デメリットとしては、各支店・店舗主導の場合、販促について専門ではない担当者が施策を実施するため、施策自体の質にバラつきが出ることもあります。また企業規模が大きい場合は、全国各拠点の広告、販促施策の状況や成果の確認を本社・本部側でタイムリーに把握することが困難になる可能性もあります。

予算管理の具体的な方法としては、Excelを使用し予算作成や予算自体の管理をする企業もあります。ただし、管理する人数が多くなったり同時に確認や編集作業を行う場合は不向きです。そのような場合は専用ツールを使用することをおすすめします。例えば、下記のような専用ツールもその一つです。

おわりに

予算管理の効果を最大限に発揮するためには、常にPDCAサイクルを回し、最適なタイミングで改善策を実施することが求められます。特に支店、店舗の施策状況をオンタイムで把握することは、重要です。管理部や経営企画の予算管理を執り行っている担当者様が、日々の業務の中で課題に感じていることに向き合うことで、最適な解決策が見つかるはずです。

予算管理のためにシステムを導入することも解決策の一つになると思います。予実管理や費用対効果などを把握する業務が軽減され、発注履歴の見える化により管理がラクになるでしょう。様々な業務負荷が軽減されることで、担当者様がよりコア業務に注力できるようになるのではないでしょうか。

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