現在、自社にとって優良な顧客を育成したいという方やリピーターの増加、(再)来店促進などを目的として、顧客に効果的にアプローチしていきたいとお考えならDM(ダイレクトメール)の利用をおすすめします。また、DMを上手く配布できれば、口コミによって店舗の認知が広がっていきます。
皆さんは、DMについて、どれくらいの知識をお持ちでしょうか?また、DMには、どんな効果があるのでしょうか?
- DMって聞くけど、具体的なことまでは知らない・・・
- みんな、DMをどんな目的で導入しているんだろう・・・
- DMを利用すれば、本当に実店舗に集客できるんだろうか・・・
「DMを送ってみたい」という思いがあっても、実際は、何から始めたらいいのか分からないといったことがたくさんありますよね。また、DMのことを、SNSで直接メッセージを送る行為だと思われているなら改めて定義について一緒に整理していきましょう。
本記事では、販促物の発注担当や広告マーケティング担当者が知っておきたいDMの定義や具体的な効果をご紹介します。また、DMの導入目的や最近流行のマーケティングオートメーションにも触れたいと思います。今後の集客・販路拡大のアイデアとしてお役立ていただければ幸いです。
目次
DM(ダイレクトメール)の基礎知識
商品やサービスの販促手段として利用されるDMですが、一体どんなものなのか、具体的な意味や概念、導入目的について解説していきます。
DM(ダイレクトメール)とは?
DMとは、ダイレクトメールの略語で特定の消費者に対して購買促進を目的とした印刷物などを郵送する販売促進手段のことで、送付先を送付者が選定し、直接、広告を郵送する行為を表します。一般的にDMとは、紙媒体による販促物の配布を指す言葉ですが、広義の意味では、ツイッターやフェイスブックなどのアカウントに対するメッセージの送信やインターネットを利用した広告マーケティングを表す言葉として用いられています。今回の記事は、紙媒体によるDMを想定して話を展開していきます。
DM(ダイレクトメール)の目的とは?
図1:DMの目的について
DMの導入目的は、下記の通りです。
1)テレマーケティングとの相性が良い
DM発送は、テレマーケティングと組み合わせることで導入効果を高めることができます。例として、DMを送付して、2、3日が経過したタイミング(対象者がDMを受け取り、まだ記憶が新鮮な状態)で送付先に電話をかけ反応率を高めます。単にDM送付のみを行うより、テレマーケティングを実施することで、「アポイントの獲得」、「サービス説明の機会獲得」などの期待する反応率を高めることができます。また、電話をかけることで顧客の見込がわかるため、顧客リストの絞込みができます。このようにDMを導入することは非常に効果的といえるでしょう。
2)見込客に対して商品の購買や来店を促すことができる
ホームページからのお問い合わせや資料請求、展示会や勉強会、セミナー、イベントへの参加、アンケートへの回答者に対する販促手段や店舗への来店を促すことを目的としてDMが利用されます。
3)顧客のリピート率を高める
一度、店舗に来店してくれた顧客や商品やサービスの利用者に対して、リピートを促すことを目的にDMが利用されます。インターネット通販であれば、メールアドレスや名前などの個人情報が容易に入手できますが、店舗来店形式の場合は、LINEを通した会員登録を促して顧客情報を入手するように努めてください。例えば、会員登録をしてくれた顧客に対して、商品券やグッズなどをプレゼントすることで、インセンティブを目的として会員登録を行ってくれます。
定期的に、情報発信をすれば、店舗への来店やサービスの利用をこちらから定期的に仕掛けることができるため非常に有効な手段だといえます。
様々な販促コストについて、いくつかご紹介すると、郵便料金62円~、メール便80円~、ポスティング5円~、新聞折込4円~、程度になります。それぞれ、コストが異なるため、用途によって使い分けることが大切です。例えば、DMは、既存会員など既に自社を知っている一定の反響が期待できるユーザーの顧客育成に有効です。また、リピーターなどの既存顧客育成にも高い効果が期待できます。
一方でポスティングや新聞折込は、不特定多数にばらまいて、見込み客を見つけることを得意としており、新規見顧客の獲得を目的としているときに有効な手段です。
DM(ダイレクトメール)の効果とは?
DMを導入すれば、どんな効果を得ることができるのでしょうか?DMの効果についていくつかご説明します。
配布先で認知が広がりやすい
DMの効果として、販促物を対象者のポストへ直接投函するため、店舗情報や商品やサービスの認知が拡大しやすいということが挙げられます。他にも、リピートユーザーの獲得や顧客の育成、リテンションなどの効果が期待できます。リテンションとは、既存の顧客に対する企業側の働きかけのことで、関係性を維持することを目的として必要不可欠な要素とされています。DMなどを利用して、既存顧客を定期的にフォローすることで、企業と顧客の間で信頼関係が生まれるため、新たな販路拡大につなげることができます。
QRコードを利用すれば、多様なアプローチができる
近年、スマホが普及するようになり、DMを使って視覚を通して反応率を高めた後、コンテンツの後半にQRコードを設置し、セールスページへ誘導するといったユニークな方法で販促活動を行う広告が増えてきました。DMに掲載する情報は、企業が自由に決められるため、ウェブサービスなどと連携すれば、多様なアプローチができます。
また、DMに対する反応装置としてQRコード以外にも事務局への電話番号やメールアドレスなどを掲載することで、どんな方法に最も効果があるのか効果測定ができます。テストマーケティング後に、販促物をブラッシュアップすることでDMの掲載情報を改善することもできるため、使い方によって可能性は無限大です。
マーケティングオートメーションで利用が進む
DMをマーケティングオートメーションと組み合わせれば、デジタルやアナログと連携させたマーケティングが展開できます。メールだけでは商談に至らなかったが過去に名刺交換をした見込み客に対して、日本郵便が「メールのみ」「DMのみ」「DM+メール」の3パターンでアプローチを行ったという興味深いマーケティングデータがあったためご紹介します。
「DM+メール」に該当する見込み客に対して「お手紙をご覧いただけましたでしょうか」という組み合わせ効果が感じられる形式で送付したところ、クリック率がメールのみと比較したとき、1.8倍になることが分かりました。メールや紙媒体による販促物を上手く組み合わせて訴求すれば、高い効果が得られることが分かる事例だといえるでしょう。
コンバージョンメディアとして注目される
日本ダイレクトメール協会によれば、本人宛DMの「行動喚起率」は、19%前後と高いコンバージョン率を示すと報告されています。ウェブメディアやテレビなどのマスメディアと比較しても「行動喚起」に対する働きかけが強いため、パワフルなクロージングメディアとして注目されています。
DM(ダイレクトメール)の効果を数字で確認
DMの効果について数字で確認していきます。今回は、「開封率」と「レスポンス率」に関するデータを参考に、具体的な効果について考察していきます。
DMの開封率とレスポンス率について
DMを送付した際、どの程度の効果があったのか知りたければ、「開封率」と「レスポンス率」に関するデータを参照することで、効果測定ができます。それでは、実際にあるマーケティングデータを用いてDMの効果について確認していきましょう。
DMの開封率:78.7%
開封したユーザーの中で、「インターネットで調べた」「購入・利用した」などのレスポンス率:16.2%
図2:DMの開封率とレスポンス率について
引用:一般社団法人 日本ダイレクトメール協会 「DMメディア実態調査2014」の調査データ
この数値を見る限り、DMよる効果は、十分に期待できるといえるのではないでしょうか。その際は、発送コストも含めて効果検証することで、DMによる利益率が明確になります。
おわりに
今回は、販促物の発注担当や広告マーケティング担当者が知っておきたいDM(ダイレクトメール)の定義や具体的な効果についてご紹介しました。
もし、DM(ダイレクトメール)を始めてみたいとお考えになられたのであればご相談ください。デザイン制作から印刷、封入、発送まですべておまかせいただけます。